スピッツのロビンソンで心の何かを締め付けられた
もう発売から20年以上経つんですね。
私がロビンソンを初めて聴いたのは中学生の超多感な時期でした。
伸びやかで中性的な美しい声、透き通った音色、切ないメロディ、懐かしさ、優しさ、そして非現実感と危うさ、脆さ。
わずか13〜4歳の少年にとっては、それはもはや劇物でした。
ギターを手に取ってからはハードな音楽に傾注したため、あまりスピッツを聴くことはなくなりましたが、ふと、ひさしぶりにYouTubeで見つけたので視聴。
それなりに酸いも甘いも知って聴くスピッツは、いっそう魅力的で、とりわけ昔は気にならなかった、危うさと脆さの部分が際立って感じました。
スピッツの魅力とは何か?
当時はうまく表現できなかったのですが、ハッと気づきました。
彼らの音楽は文学的なんだな、と。
ついでに、たまたま見つけたカバーで、いいなと思ったものを貼っておきます。
一時期流行ったバンアパ系ですね(失礼)
このバンドにもハマっていた時期がありました。
高い演奏力と16ビートのおしゃれでクールなギターカッティングが印象的なバンドです。
ハイトーンな声とグルーヴィな16ビートの彼らの演奏は、確かにスピッツと相性がいいかもしれません。
いやぁカッコイイ。
でもまさか、ロビンソンのコピーをしていたなんて。
アカペラも流行りましたね。
流行りすぎて辟易していたこともありましたが、改めて聴くとこれは素晴らしいです。
さすがゴスペラーズ、うまい。
ゴスペラーズといえば、歌唱力や美しいコーラスワークばかりに気が向いていましたが、今聴くとベースの絡みつくようなグルーヴ・推進力はホントに気持ちいいですね。
ところでいいカバーとは
これは色々あるかと思いますが、本質はカバーするアーティストの世界観を壊さず、自分たちのオリジナリティも表現できている、と言うことに尽きると思います。
ものすごいセンスと個性が必要で、おいそれとできることではありませんが、上記の2グループはまさに、だと思います。
演奏がうまいだけでは、「なんか違う」んですよね。
最後に本家のPVも。
これを白黒にしたセンスには脱帽です。
もやがかった演出とあいまって、夢のような非現実感が見事に表現されていますね。
エンジニア的なことをいえば、ボーカルにかかったリバーヴ(残響です)が秀逸。
このリバーヴでお酒が飲めますね笑
演奏も安定感があり、本当に美しいです。
唯一無二、おそらく世界中の誰にも真似のできない世界観に、ただただ圧倒されます。
おわりに
タイトルに「心の何かを締め付けられた」と書きましたが、この感覚は大人になってからは出会えていません。
この劇物に耐性ができてしまったのか、純粋さを失ってしまったからか。
...ああそうか。今気づきました。
あれは初恋だったのです。