200Vの電源を引いて最高の音質で音楽を聴こう
楽器を演奏しているプレイヤー、レコーディングやミキシングをやっているエンジニア、好きなアーティストの曲を聞くだけのリスナー。
それぞれ音楽の楽しみ方は違えど、「オーディオ機器から音楽を聞く」というのは共通していると思います。
そしてこの記事を読んでいるあなたは、耳の肥えている「より良い音で音楽を聞きたい」方でしょう。
Contents
高価なオーディオ機器やアクセサリーを購入する前に
あなたがある程度のクオリティのスピーカーやプレイヤーをお持ちで、さらなるリスニング環境の向上を考えているのなら、僕は200Vの電源を引くことをおすすめします。
高価な機器やオーディオアクセサリーはその後でも遅くはありません。環境が許すのであれば、真っ先に電源を見直すべきです。もしかすると200Vを引くことで、新しい機材は必要なくなるかもしれません。
そのくらいに電源の改善が及ぼす音質への効果は高いです。
電源やセッティングを詰める前にオーディオにお金をかけても、精度の高い音の再生はできないから、「何か違う。この機材ではダメなんだ、もっといいモノを買わないと」と、お金と時間をドブに捨てる結果になりかねません。
さて、「電源」の重要性は、だいぶ認知されてはきたものの、まだまだ懐疑的な方も多いことと思います。
この記事ではその「電源」を、少しでも一般的なものにするべく、みなさんに紹介をしたいと思います。
なぜ一般の100Vの電源はよくないのか
先述したように、当然オーディオ機器は電気で動きます。
「そんなの当たり前だし、家のコンセントにプラグを挿せば動くじゃん」とお思いでしょう。
「普通に音楽が聞ければいい」という方はそれで全く問題ないのですが、”ほんとうに音にこだわる”のであれば、それではいけません。
というのも、日本の一般のコンセントの100Vの電気は
- 家電製品などが発するノイズを拾いやすく、汚れている
- 電圧が変動しやすく、機器の動作が不安定になる
- 110V以上で動くように設計されている海外製の機器を動かすにはパワー不足
といった状態で、繊細かつパワーの必要なオーディオ機器にとってはとても好ましくない環境なんです。
この「電気」を「人間の血液」に置き換えると、100V電源がオーディオにとって、いかに不健康な状態であるかが分かると思います。
これらはもちろん、エレクトリックギターなどのアンプにも同じことが言えます。
200Vでオーディオ機器を動かして気づいた音の変化
僕が200Vを導入したときの、音の変化や感想を述べたい。
スピーカーのパワーが増し、音に厚みが出る
音楽が立体感・生命感を持って鳴るようになります。パワーが増すことによって音の再生に余裕が生まれたよう。
軽自動車とスポーツカーでは、同じ時速100キロで走るのでも、その挙動は全く違います。
従来の100Vでは、機材を鳴らしきるにはエネルギー不足であることを痛感しました。
解像度が上がりクリアになる
各楽器の解像度の低さからくる滲みが取っ払われるので、スッキリして聴こえます。
わたしはDTMもやっているのですが、良くも悪くも出てくる音の情報量が増えてしまい、ミキシングが逆に難しくなってしまいました。
定位や奥行きなどがより鮮明になるので、ツメの甘いところが気になってしまいます。もちろんちょっとしたフェーダーの操作がダイレクトに音に反映されるのが分かるので、ミキシングが何倍も楽しくなることは付け加えたいです。
音場が広がり低音が鳴る
狭い空間に押し込められていた演奏が、上下左右に解放されます。
特にモヤっとしていた低音の、フレーズや楽器までも見えるくらいクリアになったのは驚きでした。
これも低音をしっかりと再生しきるパワーが無かったのでしょう。
(僕はリスニングにオーディオ用のスピーカーではなく、スタジオ用のパワードモニターを使っています。性能はいいのですが、セッティングや電源環境がよろしくないと、特に低域はかえって安価なスピーカーの方がバランスのいい音に聴こえてしまうことも。)
200Vの電源の引き方
では肝心の200Vの電源の引き方です。
それは
です。「電気屋」ではなく「電気工事屋」です。
その際には「3芯式の単相200Vを引きたい」と伝えればいいでしょう。
加えて「アース」が通っているかの確認と「オーディオ専用のアースにしたい」旨も伝えてること。また、エアコンや洗濯機と一緒のアースは使わないこと。電化製品からのノイズが乗ってしまいかねません。
200Vを引くというと、電柱からの大掛かりな工事が必要なように思われますが、実はほとんどの家やマンションに200Vはすでに来ています。
作業も簡単で、電気工事屋さんがひとりで数時間、相場は2万円程度でやってくれます。もちろん、200Vが来ていないところもあるし、配電盤が古くて交換しなければならなかったり、専用アースも打ち込んだりと、10万近くかかることもあるようですね。
僕の場合は、なんと賃貸の単身用ワンルームマンションに引いてしまいました。
3万円かかったのですが、ふっかけられたのか、材料費が余計にかかったのか・・・。
後者だということにしましょう。
必要なもの
200Vの電源はそのままでは使えず、トランスで100Vなどに落としてやる必要があります。オーディオに使う電源トランスの説明については、
が分かりやすいかなと。お値段は数万円から、何十万もするものまであります。わたしは賛否両論ある、某ケーブル社のトランスを購入しました。
いろいろなトランスを比較した訳ではないが、特に音に不満はなかったです。
電源トランスや壁コンセント、ブレーカーから配線用のケーブルまで、いろいろなものが販売されていますが、電源トランス以外は業者さんが用意してくれます。
さいごに
ここまで読んでくださったあなたは、きっと200Vを引きたくなったのではないでしょうか?
環境が許し、高価な機材を購入するお金があるなら、まずは電源に投資をしていただきたいですね。
今持っている機材の力を完全に引き出してから、さらにグレードアップさせるかの判断をするのもいいのではないでしょうか。
ところでわたしの知っている限り、海外はほとんど日本より高電圧です。
むしろ100Vなんて日本くらいではないでしょうか。
海外のホテルのトイレに110Vや220Vのコンセントがあるのを見たときは、心底羨ましく思ったものですよ。