音楽を立体的に聴きましょう
みなさんは音楽をどのように聴いているでしょうか?
- 印象的なイントロや、歌をメインに他の楽器はボンヤリと
- 楽器をメインに、各楽器がどんな音作りをしているか
- グルーヴィな音楽でノリを楽しみたい
などなどいろいろな楽しみかたがあると思います。
優れたミュージシャンは、音楽を立体的に聴いています。
「立体的」という言いかたは、私が説明をしやすいように使っているので一般的ではありませんが、順に説明をしたいと思います。
立体的に聴けるようになると、音楽はますます楽しくなりますよ!
もちろんミュージシャンとしての深みも出てきます。
リズム
音楽の三大要素って聞いたことがあるでしょうか?
人間はリズム・メロディ・ハーモニーの三つが揃うと音楽として認識するんですね。
まずはひとつめの要素、リズムを見ていきましょう。
ふたつ以上の音が鳴るとリズムとして認識されます。音楽的に聞こえるリズムというのは、ある程度一定の規則を持って、というのがポイントでしょう。
揺れの少ない、精確なリズムであると「タイト」などと評したりします。
機械のように精確であればいい、というわけではないのがリズムの面白いところで、揺れがあるからこそ、人間は心地よさや高揚感を感じます。
演奏者にはそのリズムにも個性があります。スピード感があったり、逆にズシッと重かったり、、、。この個性の違いを味わえるようになると楽しいですよ。
メロディとハーモニー
残りふたつの要素です。
先ほどの図に縦軸の「音程」を加えると、、
このような図になります
これが楽譜です。
平面に音楽の三大要素を2Dで説明してしまう楽譜というものは、ホントによくできていますね。
メロディやハーモニーについては 音楽理論になってしまい、ここには到底書ききれないので、割愛いたします。
奥行き
三大要素を駆け足で説明しました。が、これだけでは横と縦の平面的なものでしかありません。
この二次元だけでも音楽は非常にエキサイティングなのですが、せっかくですから余すことなく味わいたいものです。
もうひとつの要素を付け加えたいと思います。
それは「奥行き」です。
音楽には奥行きがあります。
コンサートやライブを見ると、ボーカルがいちばん前に立ち、次にギターやベース、奥にドラム。当然ですが立ち位置は横一列ではありません。
また、音は楽器から出て私たちに届く「直接音」と、壁などに跳ね返ってから届く「間接音」があり、その両方を聴いています。
歌にうっすらとかかっているエコーなどは、音の反射を擬似的に作り出したもので、これも間接音です。
エコーが大きく長いと、広いホールで演奏しているように聞こえますし、その逆であればライブハウスの最前列など、比較的近くで演奏しているように聞こえます。
音楽によっては部屋で演奏しているような音づくりをしているものもありますね。
図はバンドの主要楽器の帯域や音の広がりです。
ミュージシャン・エンジニアはこのように、音の広がりや奥行きなどの空間も意識して音楽を作り、それが音楽の立体感となっているのです。
まったくもって平面的ではありませんよね。
誰しも無意識には感じている音楽の立体感の正体を説明してみました。
ぜひ意識して聴いてみてください。音楽は本当に味わい深いものです。